梶井基次郎の小説「城のある町にて」は三重県方言を会話にとり入れた数少ない近代文学の作品の一つであり、とくに中勢地方の方言を見ることのできる、まれな、すぐれた小説である。この作品については、これまでにも多くの評論研究があるが、方言についての解明はまだ全く行われていない。会話文中の方言をみると、舞台としての松阪方言、モデルの出身地一志郡白山町の方言、そして作者の出身地大阪の方言、これらの三方言は相互に近い面も多く、三方言がともに混入している可能性がある。ゆえにこの作品中の方言がどの方言であるかの解明には慎重な分析比較が必要である。このような点に留意しつつ、当作品の方言を理解するための方言調査を行った結果をまとめ報告する
本研究は、「そう」という形式を含む相づち表現「そう」「そうだ・そうです」「そうですか」「そうですね」を中心に、その用法を分析することによって、相づちによって表現される話し手の立場・態度の様相の一端を示...
本小論は、トプカプ宮殿美術館が所蔵する4冊の詩画帳(サライ・アルバム)の1冊(登録番号H.2153)のフォリオ98aに貼られている「上申の書」に関するものである。この「上申の書」は、15世紀前半のティ...
神奈川県茅ヶ崎市 中国大陸から漢字・漢文が日本に渡来してきたことは、わが言語・文学・思想などにはかりしれないほどの影響を与えた。西欧文化の洗礼を受ける以前のわが国の精神生活・社会生活を考えるうえに漢籍...
加藤一雄の小説「無名の南画家」(一九四一年)を、注釈的に研究した。本作は、主に一九一四-一九一七年の京都を舞台とし、芸術家の精神を描く。登場人物の一部モデルを、作者および周辺人物に求めることが出来る。...
この小論では、日本語方言区分の実際と基準について論じる。一般的に現代日本語は、東日本・西日本・九州・琉球という四大方言への区分がなされる。24他方でアクセントによる区分では、無型・一型・二型という理論...
資料紹介江戸時代初期に活躍した将軍・徳川家光の茶道指南役である小堀遠州は、その才能を茶の湯だけでなく、造園や築城でも開花させた人物である。遠州は、茶の湯を古田織部に学び、その織部は利休に学んだ。利休は...
埼玉県越谷市「イギリス」というカタカナ語は日本で作られて翻訳語として用いられてきたが、それに正確にあてはまる英語の語彙はなく、日本がその遠来の他者と出会ってからその対象をどのように理解してきたかを探る...
埼玉県越谷市中国語の音節構造はIMVF/Tで示されるのに対し、日本語はCVのような単純な開音節構造であるため、中国語原音を日本語に受け入れる際に、様々な問題が発生した。韻尾のうち、入声音は原則的に狭母...
古典語の係助詞〈こそ〉は,こんにちの方言にどう息づいているだろうか。本稿は,その一端として,三重県伊勢地方に特徴的な〈しか〉に相当する〈コソ〉を中心に取り上げる。すなわち,一地の方言について,〈コソ〉...
『平家物語』は天台座主明雲の配流を物語るにあたって、唐の一行阿闍梨の故事を引き合いに出す。この一行説話が、明雲流罪の悲劇を印象づけるためのアレゴリー(寓喩・諷喩)であり、「一行阿闍梨」が明雲の隠喩とな...
《癡人的愛》是谷崎潤一郎移居關西後的第一部長篇小説。近十數年来着眼於電影製作手法的觀黠,為本作品的解讀上提供了嶄新方向。筆者於參考了數篇有關谷崎作品與電影的論述之後,發現各家視黠皆偏重於援用少數撮影技...
漢字教育は中国語教育の難点であり、非漢字圏の学習者を対象とした漢字教育法の先行研究も数多くあるが、現状を見るに教育効果をあげているとは言えない。筆者は漢字が中国語を記録する記号であると同時に、同本語を...
本稿は、中古日本語におけるテハベリキ形について、タリキ形・キ形との用法の違いを概観したものである。そのために、まず、先行研究を検討しながら、テハベリキ形がどのような意味を表す可能性があるのかを考察した...
東京語における「動詞未然形+ウ・ヨウ」と「動詞連用形+マショウ」は同じ文法「意志」と「勧誘」との二つの意味を表すことができる。この二つの表現ではアクセント核は元来後ろから二拍目のところにあるが、最近、...
助動詞「ベシ」は本来ク活用だが,中世室町期にはシク活用化したものが見られる。本稿では,シク活用が「ツ+ベシ」である「ツベイ」でのみ起きることに注目し,「ベシ」の意味の二面性とモダリティ体系の史的変遷と...
本研究は、「そう」という形式を含む相づち表現「そう」「そうだ・そうです」「そうですか」「そうですね」を中心に、その用法を分析することによって、相づちによって表現される話し手の立場・態度の様相の一端を示...
本小論は、トプカプ宮殿美術館が所蔵する4冊の詩画帳(サライ・アルバム)の1冊(登録番号H.2153)のフォリオ98aに貼られている「上申の書」に関するものである。この「上申の書」は、15世紀前半のティ...
神奈川県茅ヶ崎市 中国大陸から漢字・漢文が日本に渡来してきたことは、わが言語・文学・思想などにはかりしれないほどの影響を与えた。西欧文化の洗礼を受ける以前のわが国の精神生活・社会生活を考えるうえに漢籍...
加藤一雄の小説「無名の南画家」(一九四一年)を、注釈的に研究した。本作は、主に一九一四-一九一七年の京都を舞台とし、芸術家の精神を描く。登場人物の一部モデルを、作者および周辺人物に求めることが出来る。...
この小論では、日本語方言区分の実際と基準について論じる。一般的に現代日本語は、東日本・西日本・九州・琉球という四大方言への区分がなされる。24他方でアクセントによる区分では、無型・一型・二型という理論...
資料紹介江戸時代初期に活躍した将軍・徳川家光の茶道指南役である小堀遠州は、その才能を茶の湯だけでなく、造園や築城でも開花させた人物である。遠州は、茶の湯を古田織部に学び、その織部は利休に学んだ。利休は...
埼玉県越谷市「イギリス」というカタカナ語は日本で作られて翻訳語として用いられてきたが、それに正確にあてはまる英語の語彙はなく、日本がその遠来の他者と出会ってからその対象をどのように理解してきたかを探る...
埼玉県越谷市中国語の音節構造はIMVF/Tで示されるのに対し、日本語はCVのような単純な開音節構造であるため、中国語原音を日本語に受け入れる際に、様々な問題が発生した。韻尾のうち、入声音は原則的に狭母...
古典語の係助詞〈こそ〉は,こんにちの方言にどう息づいているだろうか。本稿は,その一端として,三重県伊勢地方に特徴的な〈しか〉に相当する〈コソ〉を中心に取り上げる。すなわち,一地の方言について,〈コソ〉...
『平家物語』は天台座主明雲の配流を物語るにあたって、唐の一行阿闍梨の故事を引き合いに出す。この一行説話が、明雲流罪の悲劇を印象づけるためのアレゴリー(寓喩・諷喩)であり、「一行阿闍梨」が明雲の隠喩とな...
《癡人的愛》是谷崎潤一郎移居關西後的第一部長篇小説。近十數年来着眼於電影製作手法的觀黠,為本作品的解讀上提供了嶄新方向。筆者於參考了數篇有關谷崎作品與電影的論述之後,發現各家視黠皆偏重於援用少數撮影技...
漢字教育は中国語教育の難点であり、非漢字圏の学習者を対象とした漢字教育法の先行研究も数多くあるが、現状を見るに教育効果をあげているとは言えない。筆者は漢字が中国語を記録する記号であると同時に、同本語を...
本稿は、中古日本語におけるテハベリキ形について、タリキ形・キ形との用法の違いを概観したものである。そのために、まず、先行研究を検討しながら、テハベリキ形がどのような意味を表す可能性があるのかを考察した...
東京語における「動詞未然形+ウ・ヨウ」と「動詞連用形+マショウ」は同じ文法「意志」と「勧誘」との二つの意味を表すことができる。この二つの表現ではアクセント核は元来後ろから二拍目のところにあるが、最近、...
助動詞「ベシ」は本来ク活用だが,中世室町期にはシク活用化したものが見られる。本稿では,シク活用が「ツ+ベシ」である「ツベイ」でのみ起きることに注目し,「ベシ」の意味の二面性とモダリティ体系の史的変遷と...
本研究は、「そう」という形式を含む相づち表現「そう」「そうだ・そうです」「そうですか」「そうですね」を中心に、その用法を分析することによって、相づちによって表現される話し手の立場・態度の様相の一端を示...
本小論は、トプカプ宮殿美術館が所蔵する4冊の詩画帳(サライ・アルバム)の1冊(登録番号H.2153)のフォリオ98aに貼られている「上申の書」に関するものである。この「上申の書」は、15世紀前半のティ...
神奈川県茅ヶ崎市 中国大陸から漢字・漢文が日本に渡来してきたことは、わが言語・文学・思想などにはかりしれないほどの影響を与えた。西欧文化の洗礼を受ける以前のわが国の精神生活・社会生活を考えるうえに漢籍...